世界最高の起業プログラム – GSP16レポート

通称SUと言われるシンギュラリティ・ユニバーシティ。SUはそのプログラムの過酷さから、スリープレス(不眠)・ユニバーシティとも揶揄され、シリコンバレーでも特別突き抜けた、世界最高峰の教育プログラムが提供されています。

その中でも、メインプログラムとなるのは、通称GSPと呼ばれる夏季に行われる10週間のグローバル・ソリューション・プログラム。そのGSPに今年もティーチング・フェローとしてフル参加した日本在住のジョバンより、クロージングセレモニーのレポートです。


長い長い10週間も終わりを告げ、この8月の末、GSPのクロージングセレモニーに参加しました。
IMG_0747  そこでは、まさに、世界中から人が集まるSUだからこそ可能な事が浮き彫りにされていたと考えています。

つまり、「人類の課題は技術で克服できるという意識と、エクスポネンシャル思考をもつ、真のリーダー」を育てることです。

SUのプログラムは10億人に良い影響を与えることを目標としています。プログラムを通じて立ち上げられた営利企業にも非営利組織にも共通する目標です。

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クロージングセレモニーのオープニングは、ニコラス・ハーンのスピーチから始まりました。ニコラスは、アフリカに多大な影響を与えたことでよく知られており、今回のGSPプログラムのジェネラル・マネージャーを務めました。

そして、ニコラスは、レイ・カーツワイルを紹介します。レイは言わずとも知れた偉大な発明家でありSUの共同創立者。

IMG_0756レイは、参加者全員に改めて今手元にあるテクノロジーが、数年前には想像もできなかったものであるか、という思考エクササイズから始めました。

彼は、特にスマートフォン関連のテクノロジーの進化を強調します。その多くは、ほんの3年前には存在しなかったものです。

例えば、自身の細胞核から器官をプリントして作り出す技術、これは2009年にはSFの世界の話でしたが、現在は多数の動物で成功し、これが実用化できれば、合併症のリスクなどを劇的に下げることになります。

そしてレイは、「これからも我々は人類について学び続けることができる」ことを強調して締めくくりとし、もう一人の共同創業者であるピーター・ディアマンティスを紹介します。

IMG_0761ピーターは、アフリカの子供たちが爆発的スピードで情報に接することにできるようになっている現状を説明しました。

アフリカの子供たちはWikipediaなどの情報に日常的に触れ、ブリタニカ百科事典で調べものをしていた我々の頃より何倍もの情報に瞬時にアクセスできるのです。

そして、ピーターはいつも通り聴衆に問いかけます。「いかに、我々と人類の未来を良くすることができますか」と。

エクスポネンシャル技術により、一人の人間が世界人類への大きな影響を与えることができるようになりました。

今は何でも手に入る時代です。しかし、我々に足りていないものが2つあります。
「世界をより良くしようという情熱」「そのためのプロジェクトへ飛び込む覚悟」です。

次に、キーノート・スピーカーとして登場したのはミシェル・ベーカー、モジラ財団とモジラ社のエグゼクティブ・チェアウーマンです。

IMG_0772ミシェルはデータの重要性について酸素を例にとり説明します。

酸素がどこにでも存在しているように、データもどこからも取得可能であり、酸素同様、我々自身にとても必要なのです。

同時に酸素は爆発する危険を孕みます。データも同様に進歩の阻害になる可能性があります。

彼女のスピーチは聴衆を魅了してやみませんでした。

そして、マイクはクラスの代表であるソーシアント・ザンガネポールにわたります。

IMG_0791イランに生まれカナダに育ち多国籍に働くソーシアントは、文化の多様性を有するGSPの特徴そのものの具現者であり、政府による人工知能利用の促進を担う立場にいます。

彼は、クラスが経験した一連の内容について説明し、メンバーを紹介し、皆の特徴にも触れていきます。

とてもスマートなスピーチは、クラス全体がこのプログラムを介して全く新しく生まれ変わったことを印象付けました。

セレモニーの最終章は、この10週間のプログラムで構築されたコンセプトやテクノロジーについてのプレゼンテーションが5チームから行われました。

それらを簡単に紹介しましょう。

  • Afriji: 新しいナノテクノロジーと電気コンポーネントを利用した新しくかつ安価な冷蔵システム
  • Nutrigene: 革新的なバイオテクノロジーを利用したパーソナル栄養メーカー
  • BasePaws: 革新的な普及可能なパーソナル・ペットを利用した動物セラピーのモデル
  • uDexter: テクノロジーにアクセスできない人々のキャリア構築を支援するかつてなく簡単かつパワフルなプラットフォーム
  • ReBeam: 宇宙技術に基づいた新しいタイプのエネルギー転送テクノロジー

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プレゼンに引き続き、各チームのブースでは、コンセプト実証(Proof-of-concept)や試作品を展示し、市場性や技術可能性について議論をすることができました。

夜が更けても、エクスポネンシャル技術を駆使してイノベーションを起こし10億人に良い影響を与えるための議論は尽きませんでした。

こうして、2016年のGSPは終了しましたが、間違いなく過去最高のGSPの一つであり、ここが何かの始まりであることを強く感じた一日でした。

ジョバン・レボレド

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