日本ものづくり復権宣言

IoTが日本のものづくり復権の契機になりうると議論されていますが、本当にそうでしょうか。

確かに日本企業には非常に高度な基
礎工業力と、製品を製品として纏めていく力があります。

IoTで使われる機器製造には確かに強みが発揮できるでしょう。

ただし、ここでポイントなのはIoTのコアバリューが「モノづくり」にあるのかということです。

例えば、ヘルスケアの機器を例にとりましょう。FitBitが上場して高値を付けていますが、これはモノに対してつけられた企業価値なのでしょうか。

正直、あの程度の活動量計は日本企業ならばいくらでも作れるのではないでしょうか。GoProにしても同様です。もっともっと高度な工業製品を生み出す力が日本企業にはあるでしょう。

では、何が違うのでしょう。

それはサービスモデルに違いありません。FitBitは自身をハードウェアメーカーとは定義していません。GoProも同様です。

彼らが本当のバリューを置いているのは機器を通して蓄先されたデータでありユーザーの体験なのです。ネットワークとコンピューティング力の向上により、バリューは物そのものから使用するという体験やそれを通して何を得るかという裏側に移動してきてるのです。この状況を正確に把握しなければいけません。

例えば、家電については同じことが言えるでしょう。今現在、洗濯機を作るメーカーはその工業製品としてのバリューを高めていかに高くいかに多く売るかを考えています。一方で、格安な労働力を背景にして海外企業も進出してきています。過当競争の中で得られるマージンは限りなく低いでしょう。しかも売ったその時しかマージンが出ません。

一方で、消費者は10年も洗濯機を使います。本当のバリューはこちらにこそあるはずです。使う時に一緒に使うのは洗剤ですね。洗剤は匂いの好みが分かれていたり、高機能の物はレシピがパテント化されたりしてかなりのマージンが出るのです。しかも、洗濯し続ける以上はずっと使います。

洗濯機は今、IoT化してそのデータをクラウドに送ることが出来る時代です。それもごく安価に。洗濯機の使われ方や内部に設けたカートリッジの洗剤の残量を正確に測り、適切なタイミングで洗剤カートリッジを送り届けることも可能です。

洗濯機という機械から洗濯という体験へのバリューの移転です。

そうなった場合に、この領域に参入するのは家電メーカーとも限りません。洗剤メーカーも、Eコマースメーカーも、通信キャリアも、運送業者も参入する可能性があります。彼らは洗濯機をタダで配るでしょう。

同様のパラダイムシフトはあらゆるところで起きています。ネットフリックスによりDVD再生機が駆逐され、スカイプが電話機という概念を消し去り、写真アプリによってフィルムカメラが置き換えられたようにです。

技術進歩により物から体験にバリューが移転していく流れは止まりません。ホテル業界にはAirbnbが来ていますし、運送業界にはUberが来ています。ドローンも3Dプリンターもウェアラブル機器も既存の概念を破壊していきます。

また、IoT機器に対応したモバイルアプリは内製にするべきかですが、必ずしも内製化する必要はないでしょう。

ただし、上記に記されたIoTのコアバリューを理解せずにアプリ開発からサーバーバックエンドまで受託開発会社に丸投げするのはこれからは成功するとは思えません。

サービス展開まで含めたストラテジーをコアとして、開発会社をコントロールし、バリューを生み出す適切なサーバーサイドのクラウドサービスを選択させる事が必要です。IoT BaasやmBaaSと言ったエリアでは、多くの企業が産まれています。

コネクティビティ、セキュリティ、持続性、展開性、拡張性、インターオペラビリティ等を確保しながら、よりサービスバリューを生み出せるアプリを作る事が必要でしょう。

そして、これらの機能がパッケージ化されたBaaSを使うと驚くほど簡単に作れるのも事実です。

従来型のハードウェア屋さんは丸投げしがちですが、日本企業の復権は、そこのマインドセットの転換にあるのではないでしょうか。

さぁ、そろそろ反撃の狼煙をあげましょうよ!

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コメント

  1. 地球環境直球勝負(GIC結晶) より:

     現在の機械工学における構造材料の耐久性に対する主な問題点は強度ではなく、摩擦にある。島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑(機械工学における摩擦の中心的モード)の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。